「ありがとう」の一言が欲しかった。
家事をしても、育児をしても、それが当たり前のように過ぎていく毎日。
私は夫に、
「今日もありがとう」
「いつも頑張ってるね」
そんなふうに言ってもらいたいと思っていました。
別に、大げさに褒めてほしいわけじゃない。
ただ一言、「ありがとう」と言ってもらえたら、それだけでよかった。
でも、何も言われない日が続くと、
「こんなにやってるのに」
「どうして私ばっかり」
と、だんだん腹が立ってくる。
当時の私は、夫が感謝してくれないことが苦しいのだと思っていました。
だから、
「じゃあ、まずは私から『ありがとう』を伝えてみよう」
と考えたこともあります。
それでも、私が期待していたような変化はありませんでした。
そこで初めて、
「どうして私は、こんなに夫から認めてもらいたいんだろう?」
と、自分の気持ちを考えるようになったのです。
振り返っていくうちに、私は夫に「ありがとう」と言ってほしかっただけではなく、
「私が頑張っていることを、誰かに分かってほしい」
と思っていたことに気づきました。
この記事では、夫から「ありがとう」と言ってもらうことを求めていた私が、その気持ちの奥に何があったのか、自分自身を振り返った時のことを書いてみます。
私は夫から「ありがとう」と言ってほしかった
結婚して家庭を持つようになってから、私は夫に、
「ありがとう」
と言ってもらいたいと思うことが増えていきました。
家事をする。
子どものことをする。
仕事をしながら、家のことも回す。
私なりに毎日頑張っているつもりでした。
だから、その頑張りに気づいて、
「いつもありがとう」
「頑張ってるね」
そんな一言をかけてもらえたら嬉しかったのです。
でも、夫にとっては、家事や育児は私がやって当たり前のように見えました。
何も言われない日が続くと、私はだんだん、
「こんなにやってるのに」
「どうして何も言ってくれないの」
と思うようになりました。
そしていつしか、
「私ばっかり頑張ってる」
と、怒りに変わっていったのです。
今振り返ると、私は家事や育児を手伝ってほしかっただけではありませんでした。
自分が毎日やっていることを見てほしかった。
大変だったことも分かってほしかった。
そして、
「今日も頑張ったね」
と、誰かに認めてもらいたかったのだと思います。
そんなある日、私は夫に、
「感謝のない生活は嫌だ」
と伝えました。
すると夫から返ってきたのは、
「じゃあ、俺にも感謝を伝えて」
という言葉でした。
私は一瞬、
「え? 私、ありがとうって言ってるつもりなんだけど……」
と思いました。
でも、夫にはそう感じられていなかった。
そこで私は、
「じゃあ、もっと私から『ありがとう』を伝えてみたら何か変わるかもしれない」
と考えたのです。
そして始めたのが──
「ありがとう強化月間」でした。
「ありがとう」を増やせば、夫も変わると思っていた
夫から、
「じゃあ、俺にも感謝を伝えて」
と言われた私は、
「もっと私から『ありがとう』を伝えてみよう」
と思いました。
そこで始めたのが、私の中での「ありがとう強化月間」です。
些細なことでも「ありがとう」と口にする。
感謝したことをノートに書いてみる。
そんなことを意識するようになりました。
実際にやってみると、「ありがとう」を言葉にすることで、自分の気持ちが少し穏やかになることもありました。
でも、私が一番変わってほしいと思っていた夫との関係は、ほとんど変わりませんでした。
私が「ありがとう」と伝えても、夫は目を合わせることなく、
「うん」
と言って終わる。
そんな夫を見ながら、私はまた考えていました。
「なんで変わらないんだろう」
「私の伝え方が不自然なのかな」
「もっとちゃんと感謝したら、夫も返してくれるのかな」
でも今振り返ると、ここにも私の期待があったのだと思います。
「私がありがとうを伝えれば、夫も私にありがとうと言ってくれるかもしれない」
私はただ感謝を伝えていたのではなく、どこかで夫から返ってくる「ありがとう」を待っていました。
そして、返ってこないことにまた寂しくなっていたのです。
どうして私は、こんなに認めてもらいたかったんだろう
「ありがとう」を増やしても、夫の反応はほとんど変わりませんでした。
そこで私は、少しずつ別のことを考えるようになりました。
「そもそも私は、どうしてこんなに夫から『ありがとう』と言ってもらいたいんだろう?」
家事や育児を頑張っていることを分かってほしい。
「頑張ってるね」と認めてほしい。
夫からそんな言葉をもらえないことが、私はどうしてこんなに寂しいんだろう。
自分の気持ちを振り返っているうちに、子どもの頃のことを思い出すようになりました。
私は子どもの頃、
何かできた時に「もっとできたのに」と言われたり、
自分の気持ちを受け止めてもらえなかったと感じたりすることがありました。
もちろん、今の私が夫から認めてもらいたかった理由が、すべて幼少期にあるのかは分かりません。
ただ、
「私、ずっと誰かに『それでいいよ』『よく頑張ったね』って言ってもらいたかったのかもしれない」
そう考えると、夫の「ありがとう」にあれほどこだわっていた自分の気持ちが、少し分かるような気がしました。
夫から認めてもらいたかった。
でもその奥には、もしかすると、
「自分には価値があると思いたい」
そんな私自身の気持ちもあったのかもしれません。
「認めてほしい」と思う自分も、私の気持ちだった
以前の私は、
「こんなに頑張っているんだから、分かってほしい」
「ありがとうって言ってほしい」
と、夫から認めてもらうことを求めていました。
そして、それが返ってこないたびに、
「どうして分かってくれないの」
と苦しくなっていました。
でも今振り返ると、
「認めてほしい」と思っていたこと自体が悪かったわけではないと思います。
私だって、頑張っていることを分かってほしかった。
「ありがとう」と言ってもらえたら嬉しかった。
まずは、そんな自分の気持ちを自分で分かってあげればよかったのかもしれません。
夫が私をどう評価するかは、私には決められない。
でも、
「私は今日も頑張った」
「本当は、分かってほしかったんだね」
と、自分の気持ちを自分で受け止めることはできます。
誰かから「それでいいよ」と言ってもらうことばかり求めていた私が、
少しずつ、自分で自分の気持ちを聞くようになった。
それも、私が「自分を取り戻す」ための一つの気づきだったのだと思います。
▼この記事は、私が自分を少しずつ取り戻していくまでを書いたシリーズです。順番に読みたい方はこちらにまとめています。



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